HIV拠点病院

はじめに

 当院は平成27年6月1日からエイズ治療拠点病院に指定されています。当院のほかには秋田赤十字病院(秋田市)、平鹿総合病院(横手市)がエイズ治療拠点病院に指定を受けています。また、秋田県のエイズ治療中核拠点病院としては秋田大学医学部附属病院が指定され、これらの病院は密接な連携のもとに、その機能に応じた適切なエイズ治療を行うため拠点病院として選定されています。

 

<秋田県エイズ治療中核拠点病院>
秋田市
秋田大学医学部附属病院

<秋田県エイズ治療拠点病院>
大館市
大館市立総合病院
秋田市
秋田赤十字病院
横手市
平鹿総合病院

 

エイズ拠点病院としてのHIV診療

 エイズ拠点病院は、HIV 感染者に対する専門的かつ高度の医療を提供できる病院として機能する必要があり、具体的には総合的なエイズ診療の実施、必要な医療機器および個室の整備、カウンセリング体制の実施、他の医療機関に対する相談・指導および技術・情報の提供等が行われる病院です。

 大館市立総合病院は、443 床(一般375 床、精神病床60 床、結核6 床、‖類感染症2床)の総合病院であり、一般病床の内2床がエイズ専用個室になっています。HIV 診療にあたっては、特別のマニュアルによって行なわれることなく、一般診療と同様にスタンダードプレコーション(標準予防策)に基づいて行なわれています。

 当院のこれまでのHIV 感染症に対する取り組みは、1986 年、血液凝固因子製剤によるHIV 感染例に対する診療で始まり、これまでおよそ20 例の診断・治療経験で、多数例への取り組みではありません。しかし各種内視鏡検査、眼底検査(サイトメガロウイルス網膜症の診断・治療)、CT・MRIを含めた各種放射線診断、精神科におけるカウンセリングや歯科、外科、整形外科、耳鼻科、泌尿器科、婦人科などでの診察や観血的処置など、ほぼ全科で多数回の診療経験があります。
 入院についても、一部病棟を除いて受け入れ経験があり、入院手術はこれまで3例経験しています。

 患者様からの要望によっては、主治医・当院医療相談担当者と福祉事務所、保健センター、保健所などの地域福祉サービスと連携を行ないながらの診療も行われています。実際これまで3名の患者様で、保健所・保健センター担当者による訪問指導や、各種医療福祉サービス、年金手続き、住宅問題等で連携が図られました。

 なおHIV 診療において、セカンドオピニオン希望(診断や治療について主治医以外の医師の意見を求めたい方)の患者様には、東北地区HIV 診療ブロック拠点病院の国立病院機構仙台医療センターや国際医療センターエイズ治療・研究開発センター(ACC)とは密接な連携を図っており、いつでもご紹介できますので、担当医までお申し出下さい。

 

おわりに

 HIV/AIDS 診療は日進月歩の医療分野であることから、病院スタッフを積極的に各種講習会・研修会・研究会に派遣し、常に最新の医療を提供できますように、努力しています。
 ご意見、ご要望がありましたら、担当者までお気軽にお寄せください。